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お知らせ・クリニックブログ

口臭について

17.07.03


ウエストデンタルは安心、安全、納得の歯科。渋谷駅徒歩1分の歯医者さんへ!

口臭て気になりますよね。

ちょっとよくまとまったところがあったので、紹介します。

僕が認定医になっている日本口腔外科学会のホームページからの引用です。

口臭がひどい

口臭には大きく分けて5つの種類があります。

 

1.生理的口臭

誰にでもあるにおいで、起床直後(起床時口臭)、空腹時(飢餓口臭)、緊張時(緊張時口臭)は特に口臭は強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるためです。しかし、歯みがきで細菌やVSCが減少し、食事をしたり、水分を積極的に補給するようにすることで唾液量が増加すれば急激に口臭は弱まります。したがって生活習慣の改善でよくなり、治療の必要がありません。

また女性の生理・妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代固有の臭気(加齢臭)、民族的な口臭もあります。

(生理的口臭の特徴)

  1. 病的口臭ではないので常に周囲の人たちを不快にするわけでなく、時々不快にする事がある程度
  2. 極端に近づいた場合に感じる口臭周囲の人たちが不快感を感じる距離は、おおむね相手の顔からの距離は30cm以内である。(通常の会話距離では、わかりにくい。)
  3. 口臭は、あったりなかったりする。
  4. 身体のコンディション・ストレスに対する感受性の違い(個性)・会話条件・生活習慣になどによって、発生したり発生しなかったりする。
  5. 多くの場合は、病的口臭と異なり、本人も気が付かない事がある。口臭が気になり不安になると、より感じるようになる。

2.飲食物・嗜好品による口臭

ニンニク、ネギ、酒、タバコ等による口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いも無くなりますので治療の必要はありません。

3.病的口臭

鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もありますが、病的口臭の90%以上は口の中にその原因があり、歯周病、むし歯(う蝕)、歯垢(しこう)「歯の周りに付く細菌の固まり」、歯石、舌苔(ぜったい)「舌の表面に付くコケ状の細菌の固まり」、唾液の減少、義歯(入れ歯)の清掃不良などがあげられます。

病気の原因を治療することで口臭を減らしたり、治すことができますので診断を受けてください。

4.ストレスによる口臭

ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。

5.心理的口臭

自分自身で強い臭いがあると思い込む人がいます。

口臭の原因となる主な病気

1.歯周病(歯ぐきからの出血)

初期においては痛みもなく自覚できません。ほっておくと静かに進行する病気です。
一見何でもないようでも、歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血があることがよくあります。病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、口臭もひどくなってきます。

2.むし歯

むし歯は独特の臭いを持っています。歯垢(しこう)が付着してくると歯を磨いてもなかなかきれいにとれません。そのためにむし歯ができます。食べかすやむし歯菌が、虫歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、口臭の原因になります。
小さなむし歯で口臭が強くなることはありません。しかしむし歯が進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。神経まで侵され神経が腐ると、強烈な臭いがします。

3.歯垢(しこう)(プラーク)

歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。食べ物の残りかすを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、長期間たつと歯石を作っていきます。むし歯や歯周病の原因になります。

4.歯石

歯垢が作ったかたく固まった石灰分です。歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。また歯石が付くことにより歯周病を進行させます。

5.舌苔(ぜったい)

体調が良くないときなどには、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれているもので、歯垢と同じような細菌の固まりです。これも口臭の原因になります。舌をきれいにすると口臭も軽減します。

口の粘膜は皮膚の垢(あか)と同じように、細胞が剥がれ落ちて、舌に白く溜まり腐敗します。これが舌(ぜっ)苔(たい)です。食事を歯できちんとかまなければ舌苔が増え口臭の原因になるとの報告もあります。食べ物は歯を汚す一方で、「かむこと」で舌をキレイにしているとかんがえられます。

6.唾液の減少

唾液は口臭予防に大切なものです。口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用などがあります。唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔にむし歯や歯槽膿漏になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。

7.プラスチックの人口歯

義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色やにおいを吸着しますので、毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。

プラスチックの容器が変色したり、虫歯を治療した時に使用したプラスチックが変色するのを経験されていると思いますが、これは水分を吸ってしまうんですよね。それで色素が吸着するため起こるのですが、同じ理由ですね。

8.不良な冠、かぶせた金属の腐食

歯にかぶせた金冠が古くなって穴が開いたり、すき間ができたりすると汚れがたまり易くなります、また歯にかぶせた金冠の金属材質が体質に合わない場合があります。これらがあると口腔内が不潔になります。痛みがないために悪くなっていても気がつきません。意外と口臭の原因になっている場合が多いものです。

これも、適合が悪い冠を入れているとそこから虫歯になり穴が開きその穴に食べ物が詰まって中で腐るといったことが匂いの原因になったりします。

9.口腔ガン

口の中の癌(舌癌、頬粘膜(きょうねんまく)癌など)により口臭が発生することがあります。

10. 鼻やのどの病気

鼻は口とつながっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。

11.その他呼吸器系の病気、消化器系の病気

全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。

 

口臭物質の毒性

口臭の原因物質である硫化水素は、温泉や火山そして下水などで発生し、時々死亡事故が起きます。青酸ガスに次ぐ毒ガスで 250ppm の濃度で、人は1時間以内に死亡します。普通の口臭濃度である 0.3ppm でも気分が悪くなるといわれています。ただし、吸い込む空気に薄められますので、口臭で気分が悪くなることはまれです。

このような毒ガスですので口臭は体に害があります。口臭は歯ぐきを溶かす強い作用があり、明らかに歯周病の原因となります。癌の原因である活性酸素を増やしたり、細胞核の DNA を切断することも分かってきました。

たとえ微量だとしても、このような毒ガスが口の中に存在することは好ましいことではありません。半年に一回、歯科医院を定期受診して口臭予防に心がけましょう。